【1.新たなライフスタイルの出現】
2016年6月27日、
情報化社会の到来を予言した
名著「第3の波」を書いた
アルビン・トフラーが他界しました。
これからの時代を展望すると、
私は次なる「第4の波」ともいうべき、
新たな産業革命が
日本や世界で今まさに起きていると考えています。
「第4の波」を引き起こす要素は、以下のとおりです。
(1)インターネットの
さらなる世界規模での普及、浸透
(2)次々に起こる技術革新
(3)起業家が増えることによる、
今までになかった職業や、サービス、
新たなニュービジネスモデルで
台頭する新興企業の出現
(4)一方で、組織に依存せずに
魅力的に活躍できる個人の増加
(「最大限の自分自身を生きる人」と定義します。)
特に、私が注目したいのは(4)です。
「最大限の自分自身生きる人」こそ
自分のやりたいことを行い、
同時に経済的自由にも
つながる道であろうと予想します。
ちなみに「最大限の自分自身生きる人」は、
単なる自営業者ではありません。
私がイメージする
「最大限の自分自身生きる人」とは、
以下のような条件を
満たしている個人活動家です。
①独自の技能やサービス・知識をもって、
同業者には真似されない価値やサービス、
あるいは製品を供給する。
②ナンバーワンではなく、オンリーワンの存在。
③住んでいる地域だけに縛られずに、
インターネットを駆使して
国内外の顧客との接点を有している。
➃オンリーワン的な存在ゆえ、
余人を以って代え難い。
つまり、その人フリーランサーだけが
提供できる価値に顧客は惹かれている。
というところです。
【2.第3の波までの変化を俯瞰する】
アルビン・トフラーによると
人類はこれまで大きな変革を
2度経験していると言います。
第一の波は「農業革命」。
人類が狩猟・移動生活から初めて
定住型の農業を開始したことで
生活スタイルが大きく変わったというものです。
農業により、村という共同作業を行う組織、
それを治める統治者、さらにその中から
富を蓄積し、権力を手にする者が出現。
その中から豪族が生まれました。
さらに有力豪族間での合従・連衡や、
隣接する豪族同士との争いを経て
古代の国家が作られました。
つまり、農業からスタートして
遂には国家や文明が生まれたのです。
第二の波は「産業革命」(18世紀後半以降)。
それまでの農業中心の社会から
大量生産・工業中心・企業中心の
「産業社会」へと変わりました。
国は中央集権化と官僚支配を強化しました。
一方、貧しい農村から仕事を求めて
都市部への人口集中が見られました。
結果、土地を持たない工場で働く労働者、
核家族というライフスタイルも生み出されました。
そして、第三の波として「情報革命」
の到来を彼は予言しました。(1950年代に)
これによって、工業中心の産業社会から
「脱工業化社会」に移行するとされました。
その予言通り、
ハード(工業製品・モノ)中心の時代から、
ソフト(サービス提供型)中心の第3次産業
が先進諸国で急成長しました。
(金融・流通・医療・保険・旅行業、通信産業等)
そして、技術革新による絶え間ない進歩が
資本主義陣営の国々では起きるようになり、
人々のライフスタイルに都度、
影響を及ぼすようになりました。
【3.産業革命以来のインパクトと大きな変化】
さて、ここからは私の持論展開です。
庶民が富を得るための方法や、
庶民のライフスタイルに焦点をあてて
論じてみたいと思います。
私は庶民の富の獲得方法・ライフスタイルに
かつてない変化が現れていると感じます。
産業革命以前では、庶民にとって生活の糧、
富を得る源泉は、農業活動に従事すること
によるものが大半でした。
つまり、土地に縛られながら
労働の対価を得るライフスタイルが大多数を
占めておりました。
ここでは、話をシンプルにするために、
王族(日本では天皇家)・貴族・大名などの
土地を所有している側、さらには近代以降の
財閥等の資本家といった支配層側の稼ぎ方は
割愛いたします。
産業革命以降は、
庶民のかなりの多くが農民から
労働者(サラリーマン)または
自営業者となりました。
(まだ、農業などの一次産業に従事する人も
当然おられますが。)
労働者(サラリーマン)になると、
農地からは切り離されたものの、
今度は新たに工場や会社組織に
縛られることになりました。
労働者らはそこで時間を切り売りして、
組織内のルールやノルマに縛られて
不自由ながらも労働の対価を得る
ライフスタイルになりました。
一方、自営業者(商人や独立職人)は
その地域に密着して商売をするため、
組織にこそ縛られてはいませんが
住んでいる土地や地域から
離れることは難しく、土地という
空間には縛られます。
しかも自営業者の場合、
サラリーマンとは異なり、
営業以外の広告や経理、在庫管理、総務をすべて
自分や家族でこなす必要があるため、
ある意味サラリーマンより忙しいのです。
よって、時間的にも不自由な仕事形態です。
こうしたサラリーマンや自営業者らの
庶民の富を得る方法やライフスタイルは
情報化社会(第3の波)になっても、
組織に縛られたり、住む地域に縛られ
かつ、時間的にもかなり不自由である、
という点で
第2の波である産業革命以降とは
大きく変わっていませんでした。
しかし、ここに新たに
インターネットが出現しました。
これにより、ビジネスを営むにも
国内外の顧客とネット経由で
接点を持つことができるようになり、
住んでいる場所・地域に縛られずに
商取引が可能になりました。
このことは、ます自営業者にとって
マーケットおよび商機の拡大のチャンス
となりました。
さらに、
「最大限の自分自身生きる人」の定義で
私が触れたように、
「オンリーワン」としての価値提供を
行うことができるようになれば、
その自営業者は最強の商売人になれます。
次に、
「オンリーワン」としての価値提供が
サラリーマンである個人自身ができる
場合はどうでしょうか?
サラリーマン時代に培ったノウハウ等を駆使し、
かつ、ネット上でそれを披露することで
自分自身で顧客や販路が得られるようになります。
つまり、会社組織にしがみついて
給料をもらうことに汲汲とせずとも
生きていくことが可能になったのです。
現代社会では、給料を得るために
サラリーマンは会社組織に対して
労働時間の切り売りをしています。
一方で、会社組織内では
ノルマ達成にむけた
様々な目標・束縛があり
非常にサラリーマンは不自由であります。
しかしながら、
「最大限の自分自身生きる人」は
このような束縛された労働から脱し、
自分の好きな時に、
好きなことを仕事として
かつ、自由に移動もして
対価を得ることも可能になります。
以上から、サラリーマンや自営業者等の
庶民を今まで縛ってきた、
組織・場所・時間という
3つの大きな束縛から
個人が解放されることが可能になりました。
結果、それまでにない仕事の形態や、
ビジネスモデルが次々に出現しているのです。
インターネット上で、個人が
独自の価値提供や存在感を発揮して
その対価を稼ぐことができる時代が来たのです。
一般の庶民が、
組織・場所・時間に縛られず
自由に、好きなことをして
富を獲得できる稼げる時代の到来は、
かつての産業革命に匹敵する
大きな変化だと私は思います。
また、今後、この流れはますます
加速していくと考えております。